2016年度入試概況「2016年度公立高校入試 各校選考基準公表される」
HEAD LINE
- 今春と同じ204学科・コースで学力検査
- 横須賀が特色検査導入!
- 重点校の半数超が特色検査
- 1次選考 比率変更は22学科コースと増加
- 市立南 特色検査をスピーチ型へ
選考基準全体動向
※全日制高校の第1次選考について
1次選考 比率変更は22学科
調査書・学力検査・面接の比率の組み合わせは全部で15パターン。採用されたのは新制度導入から変わらない9パターンでした。1次選考の比率を変更したのは昨年が5校、今年は12校(22学科)に増えました。最も多いのは調査書と学力検査が4割のバランス型で、今年新たに5校7学科コースが採用、全体の49%を占めます。新制度から3回の入試を経て、各校が見直しを行ったことがうかがえます。
重点化は1増3減
調査書では各教科の数値を3教科まで2倍を限度に、学力検査では2教科まで2倍を限度に重点化できます。第1次選考でこの重点化を行うのは、市立南が新たに加わる一方、昨年から3学科・コース減った57学科・コース(全体の28%)です。西湘(一般)・新羽・小田原総合ビジネスが廃止し、麻生・川崎工科・西湘(理数)が内容を変更しました。
重点化の例
学科名等 | 重点化(第1次選考) | |
---|---|---|
神奈川総合 | 個性化 | [学力検査]点数の高い1教科×2 |
川崎総合科学 | デザイン | [調査書]美術×2 |
横須賀 | 普通科 | [調査書]英語、国語、数学×2 |
市立金沢 | 普通科 | [学力検査]英語×1.5、数学×1.2 |
new 市立南 | 普通科 | [学力検査]英語×1.5 |
特色検査は1増2減
特色検査を実施するのは26学科・コースです。西湘(理数)・津久井(福祉)が自己表現検査を廃止しました。
特色検査実施校(クリエイティブスクール除く)
- 自己表現検査
- new 横須賀・横浜緑ヶ丘・横浜翠嵐・希望ヶ丘・光陵・柏陽・湘南・平塚江南・厚木・神奈川総合(国際文化)・小田原・市立横浜サイエンスフロンティア・変更 市立南 筆記からスピーチに変更
- 実技検査
- 市立川崎総合科学(デザイン)・市立横浜商業(スポーツマネージメント)・白山(美術)・荏田(体育)・上矢部(美術陶芸)・山北(スポーツリーダー)・厚木北(スポーツが科学)・市立橘(スポーツ)・市立戸塚(音楽)・横浜国際・弥栄(音楽専攻・美術専攻・スポーツ科学)
県立・市立進学重点校の動き
横須賀が特色検査を 導入!
県立進学重点校は18校、横浜市立進学指導重点校は4校指定されています。このうち特色検査実施校は、半数以上にあたる13校です。
特色検査得点は調査書・学力検査・面接得点(計1000点満点)に加算されるため、たとえば調査書の比率が3割であっても実際は右表のように下がることになります。
県立・市立進学重点校で実施される特色検査は、光陵・市立南のスピーチ、横浜国際の英問英答以外すべて教科横断型のペーパーテスト、いわば適性検査の公立高校版です。
その「評価の観点」でほぼ共通するキーワードは「思考力」「表現力」。共通の検査でもそれらは今まで以上に重視されています。まずは各教科の知識と知識を活用する力をつけ、かつて独自入試が中学生の学力到達目標であったように、特色検査を到達目標にすえて学習をすすめたいものです。
横須賀高校の自己表現検査
【評価の観点】
- 理解力
- 情報活用力
- 論理的思考力
- 表現力
【検査の概要】
提示された資料や文章を読み取り、中学校までの学習の成果を総合的に活用して、設問に対する答えや自分の考えを記述する。
面接トピックス
比率は0増4減
面接の比率を変更したのは小田原城北工業の4学科で、3割から2割に減らしました。増やした学科コースはありません。比率3を採用するのは川崎市立商業ビジネス教養、市立川崎生活科学・福祉、平塚湘風、金沢総合、秦野総合、厚木北スポーツ科学の7学科コースのみとなりました。また比率4は市立橘スポーツ科のみです。
学校ごとの観点を変更したのは18学科コースです。「高校での教科・科目等に対する学習意欲」は5学科コース増え、191学科コースで観点に挙げています。
面接得点も開示されるようになり、より透明性が高まった面接。まずは公表された志望校の面接の評価の観点をしっかりと確認しましょう。
制度を味方に
新制度から3回の受験を経て、各校が見直しに入ったことがうかがえる選考基準の公表となりました。志望校選びに「早すぎる」はありません。中学1年生であっても、どんな高校がどんな特色を持っているのか、自分が興味を持てる、目標となる高校はどこか、ぜひ関心をもって調べてみましょう。