今回は、先月末に合格者発表があった公立高校共通選抜の結果を見ていきましょう。前年10 月に行われた進路希望調査結果では、次の3点が注目点でした。
【進路希望調査のポイント】
①全日制公立高校への進学希望は過去最も低い76.3%だったのに対し、全日制私立高校への進学希望は過去最高の12.8%に。
②全日制公立高校普通科で進学希望が定員に達しない高校が3校に1校の39校。一方で2倍超が9校。
③通信制公立・私立高校への進学希望が過去最高の4.2%を記録。
では、全日制公立高校入試の実際を見ていきます。志願変更後の応募倍率の平均は、前年と同じ1.17倍でした。その中で、応募倍率が1.4倍以上と高かった学科コースは前年の28とほぼ同じ27でしたが、その反対の1倍に満たない学科コースは、前年の56から58に増えました。つまり、志願者数の学校間格差が拡大したのです。その結果、合格者総数が募集定員の合計を1467人も下回ったため、実質倍率は前年と同じ1.20倍になりました。
表は実質倍率の高かった上位20の学科コ―スです。このうち、8学科コースが、前年も上位20に入っています。一方で定員に満たず二次募集を実施するのは、全日制全体で37校1520人となり、前年とほぼ同じ規模でした。
最後に共通選抜通信制です。合格者は前年より40人ほど多い447人。前年は、公立・私立合計で、4043人が通信制に進学しました。この人数は、前年よりも500人ほど増えています。
ここ数年、私立高校や通信制高校への進学希望者が増え、公立高校は応募状況に差が出るなど、進路の選択肢が多様化しています。
中学を卒業する皆さんが、それぞれの進学先で活躍されることを祈っています。
(中萬学院高校受験指導事業部)
●2023年3月12日 神奈川新聞ザ・チャレンジ高校受験編掲載