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2023年04月06日
2023年度公立高校入試総括

2023年度全日制公立高校入試概況

はじめに神奈川県全体の全日制の状況についてお伝えします。以下【1】をご覧ください。これは年度ごとに県内の公立中学校卒業生数、公立高校全日制一般募集の募集定員、応募者数の3項目について前年度との比較(増減)を棒グラフで表したものです。2023年度は卒業生数が前年よりも907人増えますが(※)、公立高校募集定員の拡大はプラス400人にとどまりました。卒業生数に占める募集定員の割合は60.2%で、昨年度の60.5%を下回り過去最低を更新しました。公立高校に人が集まらない状況が続いているため、募集定員枠の縮小が進んでいます。その理由として「私立学校学費支援制度」の認知・活用等が進み、私立高校を進学先の第一希望とする生徒が増えていることや全日制ではなく通信制を選ぶなど希望選択の幅が広がっていることが挙げられます。2018年頃からその傾向が顕著になり、2023年度も継続しています。
(※)学校基本調査の比較

2023年度全日制公立高校の平均競争率(合格発表時の実質倍率)は昨年度と同じ1.20倍でした。ただし、これは募集定員未達の高校も含んだ平均です。定員割れの高校は応募者数以上の合格者を出すことができないため、全体の合格者数の合計は当初の見込み数よりも少なくなります。合格者数が小さくなることで平均競争率は下がらず、昨年度と同じ1.20倍となりました。しかし、高校・学科ごとの状況を見ると、平均競争率に表れない実情がわかります。【2】は2013年度から2023年度の入試で2学級以上募集のあった全日制高校・学科の平均競争率を分布図で示したものです。2023年度、1.5倍以上・1.4倍以上・1.3倍以上の暖色で示した高倍率校・学科は37(昨年比+10)あり、全体に占める割合は23.7%でした。一方、濃い青色で示した「実質競争率が1.0倍ちょうどか定員割れ」の高校・学科は42(昨年比+1)あり、こちらは全体の27%を占めています。昨年度よりも分布図の左端と右端に近いところの割合が増えており、両極化傾向がより強かったといえます。

以下【3】は2023年度入試の高倍率校(2学級以上募集のあった全日制高校・学科について)のランキングです。大学進学を重視し、かつ実績をあげている進学校を中心に高倍率化する傾向が見られます。県の学力向上進学重点校や学力向上進学重点校エントリー校に指定されている高校は毎年このランキングの常連です。

【3】2023年度高倍率校トップ10

  校名 学科コース 合格者数 実質倍率 2022年度
1 神奈川総合 普通科
個性化コース
119 1.92 1.18
2 横浜翠嵐★ 普通科 360 1.79 2.07
3 多摩☆ 普通科 280 1.78 1.66
4 神奈川総合 普通科
国際文化コース
90 1.70 1.26
5 横浜市立横浜サイエンスフロンティア◆ 理数科 158 1.53 1.49
6 相模原弥栄 スポーツ
科学科
80 1.53 1.05
7 湘南★ 普通科 360 1.52 1.41
8 住吉 普通科 358 1.51 1.37
9 希望ケ丘☆ 普通科 358 1.51 1.50
10 新城 普通科 268 1.50 1.51


2学級以上募集のあった全日制高校・学科のみ
倍率は実質競争率(合格発表時の競争率)
★は県立の学力向上進学重点校、☆は学力向上進学重点校エントリー校。◆は横浜市指定の進学指導重点校

学力検査5教科計の合格者平均点は5.2点アップ、国語の平均点が大きく上昇

3月28日(月)、神奈川県教育委員会は「令和5年度神奈川県公立高等学校入学者選抜学力検査の結果」を公表しました。この発表資料をもとに、学力検査を振り返ります。【4】に2013年度から2023年度までの学力検査合格者平均点の推移をまとめました。まず、5教科合計については昨年度の287.6点から2023年度は5.2ポイントアップしました。理科・社会を除く3科で昨年度の平均点を上回り、特に国語がプラス13.8ポイントと大きく上がったため、平均点の合計が上昇しました。折れ線グラフで示した各教科合格者平均点の推移を見ると、2023年度は国語を除く4科についてはかなり接近しており、教科間の問題難易度のばらつきは小さかったといえます。突出して平均点が高かった国語に関しては、2024年度検査で難易度調整が行われる可能性が高いと思われます。
各教科の実施結果の概要には『「情報を整理して指定された語句を用いて制限時間内で記述する」「与えられた条件を整理し活用して解く」「条件を正確に読み取り考察することが必要」な問題では正答率が低かった』とあり、出題の意図とともに受験生に求めている力がよくわかります。基礎的な知識や技能をきちんと身につけるのはもちろんのこと、それらを活用しながら物事を考えて理解を深める、一方向だけでなく異なる視点からも考えて解決法を探してみるといった訓練を日ごろから積んでおく必要があるでしょう。「令和5年度神奈川県公立高等学校入学者選抜学力検査の結果」には教科別得点分布や設問ごとの正答率とともに各教科の出題のねらい等が掲載されていますので、ぜひ学習の参考にしてください。

神奈川県教育委員会の発表ページを見る

  英語 数学 国語 理科 社会 5科計
2023年度 55.3 53.0 75.1 51.0 58.4 292.8
2022年度 52.1 52.9 61.3 58.9 62.4 287.6
2021年度 54.6 58.2 65.7 50.1 72.6 301.2
2020年度 49.4 55.7 69.1 55.9 58.2 288.3
2019年度 49.8 50.3 59.1 61.3 42.5 263.0
2018年度 56.1 56.0 65.6 45.3 41.8 264.8
2017年度 51.9 63.5 73.1 46.9 54.5 289.9
2016年度 43.0 51.7 64.7 46.5 52.0 257.9
2015年度 51.8 52.6 64.4 37.4 50.2 256.4
2014年度 59.6 51.7 60.8 38.6 49.5 260.2
2013年度 54.8 65.5 67.8 66.4 51.1 305.6

各教科100点満点

学力向上進学重点校と同エントリー校の特色検査「共通選択問題」採択状況

県立の学力向上進学重点校と同エントリー校では2023年度も共通問題と共通選択問題を組み合わせた統一形式による筆記型の自己表現検査(以下特色検査)が行われました。統一形式の内容は全校共通の問1・問2に加え、共通選択問題の中から学校ごとにさらに2問を選んで出題するというものです。各校の2023年度共通選択問題採択状況は以下のとおりです。

【5】2023年度の特色検査「共通選択問題」採択状況

学校名 2023年度採択状況
問3 問4 問5 問6 問7
湘南      
横浜翠嵐      
柏陽      
厚木      
川和      
希望ケ丘      
光陵      
横浜平沼      
横浜緑ケ丘      
多摩      
横須賀      
鎌倉      
茅ケ崎北陵      
平塚江南      
小田原      
大和      
相模原      
横浜国際(国際科本体)      
横浜国際(IBコース) 独自
合計 10 9 6 8 3

横浜国際高校国際科国際バカロレア(IB)コースの共通選択は独自問題による出題

学力向上進学重点校と同エントリー校では学力検査で受験生間の差がつきにくくなっているため、特色検査の得点差が合格・不合格に大きく影響します。難易度が高い特色検査で1点でも多く獲得できるよう、受験生はしっかりと対策と訓練を積む必要があります。

特色検査に対応できる学力を身につけることを中学校3年間の学力到達目標に

4月、新学期がスタートしました。中学生の皆さんには特色検査に対応できる学力を身につけることを3年間の学力到達目標として日々の学習に励んでほしいと願います。中学3年間で培う学力は高校入試を突破するためだけでなく、その延長線上にある大学入試、さらには社会に出てからも必要となる力につながるからです。新しい学年での皆さんの活躍を祈っています。

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