4月27日に県教育委員会から来春の公立高校入試の日程などが発表されました。来年2月14日の学力検査がスタートになります。
既に公表されていますが、来春の公立高校入試にはいくつかの変更があります。面接が共通の検査から外され、特色検査の一つとして任意の実施となること、2次選考では調査書の中学3年の観点別評価のうち「主体的に学習に取り組む態度」を選考資料に用いることなどです。各校に共通した選考資料は学力検査と調査書だけになりますが、各高校におけるこの二つの比率や特色検査実施の有無などをまとめた選考基準は、6月に公表される予定です。
公立高校入試は2月14日にスタートしますが、神奈川県と東京都の私立高校の一般入試はこれよりもやや早く、2月10日に始まります。この2月10日までは、今日からちょうど265日、およそ9カ月あります。
さて、先ほどの選考資料のうちで、この265日で変えられないものは、既に決まっている中学2年の成績(内申点)だけです。ただし、公立高校入試ならば、中学2年の内申点が選抜資料全体に占める割合は、高い高校でも約26.7%に過ぎず、低い高校では約6.7%しかありません。中学3年の内申点、学力検査などの結果は、全てこれから決まるのです。これらを変えることができるか否かは、これからの皆さんの取り組みにかかっています。1回の定期テストに比べると、入学試験の出題範囲は広く、短期間の努力では望ましい成果を得ることができません。しっかりとした積み重ねが必要です。
では、遠大な計画を立てれば良いのかというと、必ずしもそうではありません。ローマの詩人ホラティウスの詩の一節に、〝Carpe diem〟(カルぺ・ディエム)という言葉があります。直訳すると「その日を摘み取れ」です。「今日1日の収穫を確実に手にしなさい」といった意味になります。学習だけでなく、部活動、趣味や遊びなどにも全力で取り組み、「ああ、今日はよくやった!」と思える日々を積み重ねていくことが大切なのです。
その際に気を付けなくてはいけないのはバランスです。好きなことしかやらないで過ごせば、最後に大きなツケを払うことになるからです。では、嫌なこと、苦手なことに取り組んでいくにはどうしらた良いのでしょう。そんな時に皆さんの力になるのが「習慣」です。毎日、毎週、毎回やるべきことを決めて、それを習慣にしてしまうのです。この言葉がしっくりこなければ、「ルーティン」でも結構です。
良き習慣は、皆さんを確実に成功へと導いてくれます。
(中萬学院集団指導事業部)
●2023年5月21日 神奈川新聞ザ・チャレンジ高校受験編掲載