6月9日に、県教育委員会から来春の公立高校入試の選考基準が発表されました。
変更点の一つは、面接が共通の検査から外され、特色検査の一つとして任意の実施となることです。また、2次選考では面接に替えて、調査書の中学3年の観点別評価のうち「主体的に学習に取り組む態度」を選考資料に用いることになりました。各校での学力検査と調査書の比率や、特色検査実施有無などをまとめたものが選考基準です。
全日制の募集はクリエイティブスクール5校を除くと、197学科コースで行われ、学力検査と調査書の比が同じになる5:5を採択したのは96学科コースでした。 表1は、1次選考の比率を前年度と比較したものです。グレーの部分は、学力検査と調査書の比が前年度と同じまたは近い比率を採択した学科コースの数を示しています。前年度に調査書:学力検査の比率で 4:4を採択していた110学科コースを例にとると、学力検査と調査書の比が同じになる5:5を採択したのは81学科コース、調査書の重みが増える6:4や7:3を採択したのは計11学科コース、学力検査の重みが増える4:6や3:7を採択したのは計18学科コースでした。一方で、前年度に調査書の方が重い5:3を採択していた50学科コースのうち、計16学科コー スが5:5や4:6を採択しているので、学力検査の重みを増やした高校がやや多かったことが分かります。
表2は、2次選考での観点別評価:学力検査の比率です。全体の7割にあたる132学科コースが、学力検査が最も重い2:8を採択しています。観点の評価は27点満点ですが、表2の※3にある通り、評価1と等しい学力検査の得点は思ったよりも大きいので、受験生には十分注意が必要です。
入試制度の変更が不安な受験生も少なくないと思いますが、変化の意味をしっかりと理解することで、変化をチャンスにしていきましょう。
(中萬学院集団指導事業部)
●2023年6月25日 神奈川新聞ザ・チャレンジ高校受験編掲載