7月1日(火)、神奈川県教育委員会は2026(令和8)年度神奈川県公立高等学校入学者選抜の「募集案内」及び「実施要領」についてを公表しました。募集案内のうち、神奈川県公立高等学校入学者選抜制度の概要や出願に関する事項等は「募集案内1」として、県内の国公立中学校の第3学年の生徒全員と教員にリーフレットでも配布されています。2026(令和8)年度入学者選抜の選考基準及び特色検査の概要については5月30日(金)にすでに公表されています。
2024(令和6)年度の入試から面接が共通の検査から外れ、各校共通の選考は学力検査と調査書の2つの資料で行われます。第1次選考では調査書の評定(中学2年・中学3年)と学力検査の結果、第2次選考では調査書の観点のうち「主体的に学習に取り組む態度」の評価(中学3年のみ)と学力検査の結果でそれぞれ選考されます。各高校における2つの選考資料の取り扱いの比率や特色検査実施の有無及び特色検査の概要、調査書と学力検査の重点化の内容といったことをまとめたのものが選考基準です。
2026(令和8)年度、全日制の募集は192学科コースで行われます(クリエイティブスクールを除く)。以下は第1次選考における調査書の評定:学力検査の取り扱い比率の採択状況です。既存の高校で前年度から変更があったのは、横浜桜陽・光陵・松陽・湘南台の4校・4学科・コースのみです。光陵・松陽・湘南台の3校は調査書の評定:学力検査の取り扱い比率が5:5から4:6となり学力検査の比重を大きく、横浜桜陽は5:5から6:4へ調査書の比重が大きくなりました。その結果、5:5のバランス型を採択する学科コースは96に減りましたが、依然として全体の半数を占めています。
第1次選考での調査書:学力検査の比率に変更があった高校
左側が2025年度、右側が2026年度の採択比率です
●5:5⇒4:6 〔学力検査重視へ〕光陵・松陽・湘南台
●5:5⇒6:4 〔調査書重視へ〕横浜桜陽
第2次選考では調査書の「主体的に学習に取り組む態度」の観点評価の比重がもっとも小さい2:学力検査8を採択する学科コースが122で、全体の6割以上を占めています。次に採択数が多い3:7と合わせると8割を占めており、全体的に観点評価が選考に与える影響を小さくしようとする傾向があることが分かります。観点評価は27点満点のため、観点評価1に相当する学力検査の得点は採択比率によって大きく変わります。2025(令和7)年度入試でも多くの高校で観点評価の差が合否を分けたケースが見られたため、受験生は注意が必要です。学力検査本番で得点できる力をつけるのはもちろんのこと、「主体的に学習に取り組む態度」の観点を含む学校成績を上げることが合格の可能性を広げることにつながりますので、中学校の授業や課題への取り組み、家庭学習についても日頃から大切にしましょう。
第2次選考での調査書の観点評価:学力検査の採択比率に変更があった高校
左側が2025年度、右側が2026年度です。
●8:2⇒6:4 〔調査書の観点評価重視へ〕横須賀大津
その他、全日制高校における昨年度入試からのおもな変更点は以下の通りです。
再編・統合等による募集停止
- 横浜市立南…高校募集を停止。附属中学からの募集のみに
- 田奈…麻生総合との再編統合、総合学科クリエイティブスクールへ(施設活用校は田奈)
- 麻生総合…田奈との再編統合
- 小田原城北工業…大井との再編統合、普通科クリエイティブスクールへ(施設活用校は小田原城北工業)
- 大井…小田原城北工業との再編統合
特色検査の比率の変更
左側が2025年度、右側が2026年度の比率です。1次・2次ともに自己表現重視へ。
●1⇒2 小田原〔第1次選考・第2次選考〕
重点化の導入・変更・廃止
高校名 | 変更内容 | |
---|---|---|
横浜桜陽 | 1次・2次【学】⇒ 重点化を廃止 | |
横須賀大津 | 1次【学】⇒ 重点化を導入 | |
小田原城北・大井 | 工業・デザインコース1次【調】⇒ 重点化に変更 |
※1次は第1次選考、2次は第2次選考、【調】は調査書、【学】は学力検査をあらわします。
神奈川県教育委員会の記者発表ページは以下のリンクよりご覧いただけます。
>令和8年度神奈川県公立高等学校入学者選抜の「募集案内」及び「実施要領」等について